国際資格IRATA Rope Access Level 1を取得してきました!-Vol.1-
こんにちは。先日、久しぶりに、新しい資格を取りに行ってきました!IRATA Rope Accessという資格で、代表的な仕事として、ビルディングの窓拭きや山岳レスキューなどがありますが、マイニングサイトなどの現場で働く時にも使える資格です。そして、わたしはこの資格を取得し、3月からマイニングサイトでRopie(Rope Access Technicianのことを現場では略してこう呼びます)として働き始めました!
資格の取得から、仕事の様子などをシェアしたいと思います。少し長くなったので、Vol.1とVol.2に分けました。
-Vol.1-
- どんな資格か?
- なぜこの資格を取ることにしたか?
- どこで取得したか?
-Vol.2-
- トレーニング受講の様子
- 最終アセスメントについて
- 実際の現場でのRope Accessの仕事について
- 仕事ゲットは難しいのか?
IRATA Rope Accessとはどんな資格?
IRATAとは
Industrial Rope Access Trade Associationの略で、産業用ロープアクセスの技術と安全を世界的に認定しているイギリス発の団体。
IRATA Rope Accessの資格は、簡単にまとめるとロープを使って高所で作業するための「国際的な免許」のようなもの。
資格はLevel 1〜Level 3の3段階
- Level 1:エントリーレベル
未経験者でも受講可。基本的なロープの技術・レスキュー技術を取得。
- Level 2:中級者向け
Level 1取得後、最低1000時間・12ヶ月以上の実務経験※が必要。より複雑なロープ操作・中級レスキュー・設備管理・安全管理などを学ぶ。作業チームの中核として活躍。
- Level 3:現場のリーダー
Level 2取得後、1000時間・12ヶ月以上の実務経験※。現場全体の安全管理、作業計画、チームの監督などを担う。高度なレスキュー能力、応急対応、リスクアセエスメンとの実施が求められる。現場リーダーやスーパーバイザーとしての重要な役割を担う。
※資格の登録が完了すると、CertificateとカードとLog Bookが送られてきます。これに、毎回どんな仕事を何時間やったか記録していきます。(意外にもアナログな感じ。)



Level 1は、現場ではまだまだ見習いのポジションではあるけど、意外とLevel 1で学ぶ基本的なロープワークだけでも、現場で使えることがたくさんあります!実際、わたしも何度か作業を任せてもらえました!Level 2の先輩たちは、やっぱりLevel 1より貫禄もあり、雰囲気が違います。Level 3の先輩については、もうSupervisorレベルで、作業の指示を出したり、万が一の時のレスキュープランを考えたり。また、全責任を担う重要ポシションでもあります。(そのため、給料もSupervisor並みにいいです。)
トレーニング期間と費用
5日間(4日間のトレーニング➕1日のアセスメント)
朝から昼過ぎまで、毎日しっかりトレーニングを受けます。座学はほとんどなく、ロープを使った実践がメインのため、体力をかなり消耗します。最初の1•2日は特に、新しい知識や技術をたくさんインプットするので、頭もフル回転でした。残りの3•4日目には、ひたすら技術の練習の繰り返し。久しぶりに何かを新しく学ぶことの面白さを感じることができて、個人的にはとても楽しかったです。
もし、最終アセスメントで合格できないと、再度お金を払って一からトレーニングを受けないといけません。(オーストラリアの他の資格のように、無料で再試験を受けることはできないので要注意です)
費用は、トレーニングセンターによって異なりますが、$2000前後が相場のようです。(合格したあとの申請などもセンターでやってもらえるので、追加料金や手間もありませんでした。)
資格の有効期限・更新
3年間。更新時にはトレーニングを受ける必要あり。
また、6ヶ月以上、Rope Accessの仕事についていなかった場合、Refresher Trainingを受ける必要あり。
なぜこの資格を取ることにしたか?
資格を取ることを決めた理由やきっかけはいくつかあります。
★Mechanical Riggerの仕事が少なかった&想像と違った
今まで、マイニングの仕事をゲットするために、たくさんの資格を取ってきました。そして、ありがたいことに、マイニングで働くFIFO Riggerとしての2:1Rosterの仕事をもらえるようになり、軌道に乗っていました。
なので、私自身も、このまま継続して今の会社に雇ってもらい、これ以上資格なんて取らないだろうと思っていました。
しかし、実際に働き始めたところ、私の会社はMechanical系の会社のため、私の想像していた、クレーンと一緒に働くRiggerとは異なり、たまにChain Blockなどを使ったRiggingはするものの、大半の時間をTA(Trade Assistant)と同じような仕事をすることが多かったのです。(あくまでわたしの働いた会社、現場での例であり、すべての現場や仕事に当てはまるわけではないです。)※

※Riggerの仕事は大きく分けて、「Crane Rigger」と「Mechanical Rigger」の2種類があり、前者がクレーンと共に仕事をするRiggerで、後者がBoiler MakerやFitterなど機械系の仕事をする人たちと一緒に働き、Chain blockやCome-alongを使ったMechanical RiggingをよくやるRigger。どういう会社で働くかによって変わってきます。
始めのうちは、慣れない現場の仕事で、どれも新鮮で新しい経験だったので、とりあえず続けてみようという気持ちでした。マイニングの現場の初心者でもあったので。
ですが、慣れてくると、退屈に感じるようになり、いくら稼げるとはいえ、仕事の時間を苦痛に感じるようになりました。何も手伝うことがなくて、でも何かしないと!と考えるのが結構ストレスにもなりました。
また、資格を使った専門的な仕事ではなく、誰でもできる仕事ばかりで、自分の存在意義も感じられず、メンタル的にも下がり気味でした。
★同じサイトで働いていたRope Accessチームへの憧れ
これもキャリアチェンジを考えた大きなきっかけのうちのひとつ。
もともと、Mechanical Riggerとして働いていた時も、Rope Accessのチームと一緒に働くことが多かったのと、Ropieチームにいた数人のワーホリの人たちと仲良くなり、退屈そうな私をみて冗談半分で「TuulikkaもRopeやりなよー」と言われていました。
また、私の所属していたMechanicalチームは、さまざまな職種が一つのチームに集まっているので、チームメンバー自体は、いい人たちでも、職種が異なるため、なんだか一人ひとりがいい意味でも、悪い意味でも孤立している感覚があり、それが少し寂しく感じました。
それに対し、Rope Accessは背景の職種(Rope Accessにプラスで持っているBoiler Maker, Fitter, Riggerなどの職種)は異なれど、Rope Accessという共通の資格を使った仕事をするチームのため、一つのチームとしての団結感や仲間意識というか、まとまりがあるように感じて、それがいいなと思いました。(他の職種でいうと、足場の設置・解体をするScaffolderたちも、基本的にScaffolderのみが一つのチームで働くので、やはりチーム感があります)
さらに、Ropieはみんなでつなぎ(Coverall)を着て仕事をするので、それもかっこよく見えました。

★女性Ropieとの出会い
マイニングサイトで働く場合、毎日、現場まで大型の観光バスのようなバスに乗って移動します。その時に、たまたま隣の席になった子が、他の会社で働くドイツ人ワーホリの女の子でした。話をすると、Ropieとのこと。
その子が、Ropeの仕事が楽しいよ!女性でもできるよ!と話していたので、以前からなんとなく興味を持っていました。
また、同じ現場にも2人の女性がRope Accessとして働いていたので、現場では貴重な数少ない女性ワーカーと一緒に働けたらいいなと思っていました。
★もともとクライミングや体を使うことが好きだった
体を動かしたり、運動するのが好きなので、Riggerの仕事では物足りなかったのかもしれません。笑
また、ロッククライミングはやったことがないけど、以前から興味はあり、登山などで体を使って岩をよじ登ったりするのが好きでした。
キャンプやバンライフで使える、Rope Workなんかも学べるかもとも思ったり。
なので、高所に対する怖さはあまりなく、好奇心が強かったので、やってみよう!という気持ちになりました。
また、Rope Accessのチームメンバーもクライミングを趣味でやっている人もいたり、「Rope 好き!」「楽しい!」と、言う人が多く、みんな好きでRopeの仕事をしていて、仕事に対する熱意もあって、雰囲気がいいのも働きやすいポイント。
★もちろん給料UPも考慮
会社やエージェントによって異なりますが、私の働いている会社の場合は、RiggerよりRopie +Rigger
の給料が高かったことも決め手の一つになりました。
Seekで求人を見ていても、Ropieの給料が高めのことが多く、自分のスキルアップだけでなく、給料も上がるならなおさらありだな!と。
★国際資格だから、他の国でも活用できる可能性あり
正直、私自身は資格を取る前はそこまで気にしませんでしたが、チームメンバーの中では、「国際資格でこれからも使えそうだから取った」と話していた友達もいて、なるほどなーと思ったのでした。
マイニングの仕事で使える資格は、ほとんどがオーストラリアやWAのみだけでの資格なので、そのためにお金を使うのがもったいないと思う方もいるかもしれませんが、世界共通の資格なら、これからの可能性が広がりますね。
★RiggerからRopieへキャリアチェンジする人は結構多いらしい
初めから、Rope Accessとして働くために、Riggerの資格を取ったという人も多いですが、わたしのようにRiggerとして働いてから、Rope Accessを追加で取るのも、メジャーな道のようです。
Rope Access Technicianが求められる多くの職種が、Boiler Maker, Fitter, Welder, Rigger(, Scaffolder)が多いです。この中でBoiler Maker, Fitter, Welderは経歴やCertificateが必要なため、誰でもできるポジションではありませんが、RiggerやScaffolderはオーストラリアで資格を取れば働くこと自体は可能なため、誰にでもチャンスがあります。
もちろん、ワーホリの人でも、自国でBoiler Maker, Fitter, Welderとして働いていた人は、それを活かして働いている人もたくさんいます。ヨーロッパ系の人たちが多い印象ですが、一度だけ韓国のワーホリのBolier Makerを見たことがあります。(これらのCertificateが必要な仕事の場合は、給料がかなりいいです!)
また、Offshore(海上のプラットフォーム)で働いてみたい!と言う人もRope Accessの資格を取る人が多いです。結構給料もいいんだとか!わたしも未知の世界ですが、かっこいいですね!

どこで資格を取得したのか?
私は、PerthにあるRed Rope Access Trainingというトレーニングセンターで取りました。ちょっとシティーから離れているので、車がないと不便かもしれません。
実際に行ったチームメンバーがよかったと教えてくれ、予約もすぐに取れたので、ここに決めました。
ちなみに、多くの人におすすめされたのが、PerthにあるGRAVITEQというところです。わたしはあいにく予約がかなり先まで埋まっており、すぐに受講ができなさそうだったので、諦めました。パースCBDの近くにあったのが、Malagaに移転したようなので、こちらもCBDからは少し遠めです。また、パースだけでなくブリスベンやアデレードにも系列のトレーニングセンターがあるようです。
どちらのトレーニングセンターも、Youtubeで一つ一つのトレーニングについて、解説をしてくれているので、予習・復習にとても役立ちます!
ちょっとRope Accessの資格が気になる方は、一度観てみるといいかと思います。
他にも、Perthだけでも多くのトレーニングセンターがあるので、現場で働いている人に、どこで取るか相談してみるのもいいかと思います。
また、IRATA Rope Accessは国際資格なだけあって、日本でも取得が可能なんです!ワーホリの友達の中には、一時帰国した時に自国で取ってきた!なんていう人もたまに見かけます。
近場だと、オーストラリア以外にインドネシアでも、いくつかトレーニングセンターがあります。遊びに行くついでに取るのもありですね。わたしも、インドネシアで取ってみるのおもしろそう!と思ったのですが、なかなか予定が合わず、断念しました。
Rope Accessやマイニングについて少しでも参考になれば嬉しいです。
続きはVol.2でシェアしたいと思います。
Have a good day!
コメントを残す