国際資格IRATA Rope Access Level 1を取得!トレーニング・アセスメント、仕事の様子

こんにちは!最近は、パースも雨が降ったり寒くなってきましたね。マイニングサイトでも、朝晩は冷え込み、日中も日陰に入ると寒く感じるような季節になりました。

以前、シェアしたRope Accessの資格についての続きです。(まだ読まれていない方は、一つ前のブログを読んでいただくと、話の流れがわかるかと思います。)

今回は

  • トレーニング受講の様子
  • 最終アセスメントについて
  • マイニングサイトでのRope Accessの仕事について
  • 仕事ゲットは難しいのか?
  • どんな人におすすめか?

といった内容をシェアしていこうと思います。

トレーニング受講の様子

Level 1〜Level 3では、扱える技術や役割が異なります。

Level 1ではRopeの基礎となる、ギアの使い方や、ロープの結び方など、自分で安全に登る・降りる・移動するという技術がメインになっています。

Rope Accessのハードヘッドは普通のハードヘッドとは異なります。頭側にクッションが入っていたり、顎紐がついています。トレーニングの間は、借りることができます。

また、自分の体のサイズに合ったハーネスを選んで、トレーニングの間は継続して同じものを使います。

トレーニング後に、こんな感じで吊るして帰宅します。

まず初めの数日間は、トレーナーから技術についての説明ややり方を学び、何度か練習→次の技術への繰り返しでした。

その後は、自分のやりたい技術の練習をしたり、Level 1が学ぶ簡易的なレスキューをペアになって練習したりしました。

トレーニング後に、記憶を遡りながら、YouTubeを参考にしながら、ロープの結び方の復習をしていました。YouTubeではいろんな人の、いろんなやり方の動画があるので、自分の覚えやすい方法で覚えるのがおすすめです。

最終アセスメントについて

大抵のトレーニングセンターで、月〜木まで講義やトレーニングを受けて、最後の金曜日に1日かけて最終アセスメントがあります。

IRATA Rope Accessの最終アセスメントは、DoggingやRiggingなどのHRWL(ハイリスクライセンス)などと大きく異なる点がいくつかあります。

①習った技術をすべてアセッサーの前で実践して見せる

トレーニングセンターの壁にドンと貼られているこちらのチェックリストに沿って、トレーニングを受けました。そして、最終アセスメントの時は、このリストに一人一人名前を書いて、一つ一つの技術をアセッサーがチェックしていきます。

黄色いマーカーをした部分が、Level 1の項目です。一部の技術を除いて、大部分がLevl 2・3とも共通していることがわかります。

なので、試験前のトレーニング期間に、何度も何度も練習し、体で覚え込む必要があります。練習する時間、トレーナーに見てもらう時間は十分にあるので、毎日のトレーニングを真面目に受けたら大丈夫です。

練習中に、わたしがミスをした時に、トレーナーから「いっぱい練習して、今、失敗した方が学べるからいいんだよ。最終アセスメントでミスしたら、そこでアウトだからね」と言われました。何度も練習するのが、億劫になりつつも、頑張ってロープに乗っている時間を作るようにしました。練習しているときにトレーナーから指摘をもらうと、記憶によく残るので、とても良かったです。

この手前のピンクのTシャツを着ているのが、トレーナーです。練習する私たちを見ていてくれます。

ちなみに、Riggingなどのハイリスクライセンスの実技試験では、このように一つ一つの習った技術をチェックすることはありませんでした。

②評価をするのはトレーナーではなく、IRATAの本部から来た担当者

HRWLの場合は、トレーニングセンターのトレーナーが基本的に、そのまま最終アセスメントも評価します。なので、担当者によって、評価もまちまちで、結構ゆるいことが多いです。(トレーナーもおそらく早く家に帰りたいのか、予定時間より随分早く終わることも多く、「え、これで合格でいいの?」と驚かされることも何度かありました笑。もちろんしっかりやってくれる方もいます。)

それなので、筆記さえしっかり暗記していけば、よっぽど落とされることはなかったです。

ところが、Rope Accessの場合は、4日間トレーニングをしてくれたトレーナーとは別で、IRATAの本部から来たアセッサーが試験監督です。

なので、かなり客観的にしっかり見て評価を受けます。国際資格なだけあって、全然ゆるくないです。あとは、Rope Access自体が、命に直接関わる技術でもあるので、それなりの比重があるのだと思います。

③合格・不合格の基準

ハイリスクライセンスの場合、基本的によっぽどのことがない限り、落とされることはないです。実技で落とされた人を見たことがないし、わたしのような初心者で、完璧に理解できていないような人でも合格できたくらいなので。

よっぽどのことといえば、明らかに受講態度が悪い、筆記試験が合格点に達しないなど。でも筆記試験でも間違っているところを教えてくれて、直させてくれるトレーナーもいたりと、あまり厳格ではない印象でした。

一方、Rope Accessの場合、

  • Critical Fail(重大ミス)の場合、1度ミスしただけで即不合格になり、試験もそこで終了となります。
  • Minor Discrepancy(ニアミス)の場合は、2度目のミスで不合格になり、同じく試験もそこで終了となります。

一緒に受けた、6人中、2人がミスをして不合格になっていました。(しかも、再試験を受けるには、再度トレーニングを一から受けて、費用も自己負担になってしまうので、なんとしても一発で合格したいところです。)

ハイリスクライセンスに比べると、Rope Accessはかなり厳しく、しっかりした合否の判断基準があるということになります。

④実技メイン

ハイリスクライセンスの場合、筆記と実技が半分半分で、実際に受けた感想としては、実技に対する比重は大きくないように感じました。

一方、Rope Accessの場合、Level 1は筆記試験がそもそもありません。(わたしとしてはラッキーでした)ただ、実技試験を始める前に、口頭でいくつか質問をされて答えることはあります。でも、「この結び方はなんという名前?」や「IRATAはなんの略か?」などといった、基礎知識に関する問いでした。

なので、Level 1の場合は、ほぼ実技で合否が決まります。

Levle 2とLevel 3の場合は、筆記試験もあるようです。

マイニングサイトでのRope Accessの仕事

Rope Accessとして働き始めて、6ヶ月ほど経ちました。これまで、Rope Accessのポジションで9Swingを経験しました。ここでは、実際にマイニングサイトでどのような仕事を経験したか、シェアしたいと思います!(全て実際のチームメンバーの写真や、わたしの写真を使っています!)

Rope Accessの仕事は、その時々、現場の様子によって常に変わってくるので、ここで紹介する仕事が全てではないですが、なんとなく雰囲気を感じてもらえればと思います!

これは、Mag Drill(Magnetic Drill)という機械を使って、金属にボルトを入れるための穴を開けている時の様子。大変だったので、他の女性Ropieに手伝ってもらいました。

まずは、基本中の基本で、

  • 仕事で使うRopeギアの準備
  • Ropeの設置(これはLevel 3の指示に従って行います)
  • Inspection(定期的に、ギアの摩耗や傷などを一つ一つチェックします。)
  • 他のメンバーがRopeで作業している時のヘルプ
  • 作業終了後の後片付け

これらの仕事を基本的には、Rope Accessチームで協力して行います。

また、Ropeに乗って、誰にでもできる作業として、

  • パワーツールを使ったボルトの付け外し
このときは、体の位置を固定するために、片手しか使えなかったのがきつかったです。
  • マイニングでよく使うセメント(Wearmax)を塗る
少し狭い空間に入って、ロープにぶら下がりながら、セメントを塗布しています。
  • シリコンの塗布・除去
このときは、すごくオープンな場所で風も強かったので、初めはとても緊張しました。

などがあります。

さらに、Rope Accessは一つの技術に過ぎないので、Rope Accessにプラスで持っているTradeや資格によって、任される仕事も異なってきます。

わたしの場合は、Riggerの資格を持っているので、Crane Riggerに代わって、Liftingするストラクチャーにチェーンやスリングを取り付ける仕事もしました。

Heavy Liftingと言ったりしますが、かなり大きなストラクチャーの見事なLiftingでした!

Ropeの技術に慣れるまでは、今まで普通にできていた作業も、一段と難しく、大変に感じます。

わたしも慣れるまでは、Ropeのことばかり考えて、頭がいっぱいいっぱいでしたが、最近はようやくRopeに慣れてきたこともあって、余裕が出てきました。

また、Level 3がRope Accessの仕事に関して全責任を担うため、Level 1で経歴の浅い人が仕事をするときや難しい作業の時などは、基本的にいつも近くで見守ってくれていたり、アドバイスをくれたりするので、安心して挑戦できます。

いつも仲間が気にかけてくれるので、心強いです!感謝!

仕事ゲットは難しい?どうやってゲットしたか?

いつになっても、資格があっても、マイニングで働いた経歴があっても、仕事をゲットするのは簡単ではないというのは変わりません。

わたしは、マイニングサイトでRiggerとして働きつつ、Rope Accessの資格を取り、他の会社にもアプライし始めましたが、雇ってもらえるところがありませんでした。

わたしの上司のLevl 3ですら、他の会社にもアプライしているけど、なかなか手応えがないと話していました。

また、わたしの知り合いでも、わたしより早い時期にRope Accessの資格を取ったのですが、マイニングの経歴はあっても、Rope Accessの経歴がなくてRopeの仕事に就けていないと言う人も何人かいました。

巨大なストラクチャーに、4人係でシリコンを塗布し、クッション材を貼り付けました。

今回、わたしがRope Access未経験であるにも関わらず、すぐにRope Accessのポジションに就けたのは、とても運がよかったです。いわゆる”コネ”を活用しました。

Vol 1でも少し触れましたが、わたしがRiggerとして働いていた時に、同じ現場で働いていたRope Accessのチームメンバーと仲良くなり、一緒に仕事をすることも多かったおかげで、Ropeチームのボスとも関わる機会がありました。

一緒に仕事をするうちに、どんどんRopeの仕事に惹かれるようになりました。

資格を取ることを決めてから、「Rope Accessの資格を取るから、チームに入れてもらえるか?」と予め、Ropeチームのボスには少し話しておきました。

そしてパースで資格を取得し、「Rope Accessの資格を取ってきたよ!Ropeチームと働きたい!」と話したところ、話した次のSwingからRopeチームに加えてもらえることになったのです!

自分の中では、”コネ”という考えはなく、ただ自然と他のワーホリのメンバーにアドバイスをもらいながら進めたところ、そのままRopeのチームに入れてもらえました。後から考えたら、こういうのもコネと言うのかなぁと気づきました。

Goodバイブスな仲間たち!

マイニングのサイトで働いている場合は、同じサイトで働いている自分のやりたい仕事をやっている人にアドバイスをもらったり、たくさん話を聞いたりして、関わりを持つことは大切だなと思いました。

直接コネに繋がらなくても、「〇〇と言うトレーニングセンターがよかったよ」とか、「××って会社にも連絡してみなよ」など、アドバイスや口コミなどの情報を得られるからです。(中には、レジュメを見せてくれたり、他の会社の連絡先をシェアしてくれたりなんてことも。)

普段の小さなコミュニケーションから、仕事ゲットまで繋がり、改めて日々のコミュニケーションの大切さを実感しました。

Rope Accessの仕事はどんな人におすすめ?

1.高いところも大丈夫

これは絶対外せない条件ですね。高いところに行くだけでなく、ロープにぶら下がって宙ぶらりんで作業をするのがメインで、怖い方には怖いと思います。

建物の階段を6・7階分くらい登った場所です。

わたしも、高いところめっちゃ得意!というわけではないのですが、自分でしっかりロープのスキルを学んでいるし、他のメンバーもトレーニングを受けて、経歴もあることがわかっていて信頼できる仲間たちなので、逆に安心感があるように思います。

2.クライミング、ボルダリングが好きな人

この2つが好きな人は絶対に、Rope Accessの仕事を楽しめると思います!

わたしも、体を動かすことが好きだったのと、全身を使って登ったりすることが好きだったので、IRATAの資格を取るときも、楽しみながらできました。

また、Ropeの仕事をしている人の中でも、趣味でクライミングやボルダリングをやっている人が多いので、そいうった人たちと仲良くもなれると思います。

写真で見ると、怖そうだけど、実際は、やってみると面白さとすごい!という感じで怖いことを忘れます。

3.問題解決能力や好奇心がある人

Rope Accessの仕事は、ただ単純にロープにぶら下がって仕事をするというものだけではありません。

複雑なストラクチャーの間に入り込んで作業したり、ロープにぶら下がりながら安定したポジションを探したり、普通には届かないような場所にロープを使ってアクセスするので、試行錯誤が必要なことも。チームメンバーで相談したり、アドバイスをもらったり、自分で試したりして仕事を進めていきます。

マイニングサイトでは、結構狭いところやパイプなどがあって、アクセスが難しいところも多いです。

なので、他の仕事と比べると、ただ言われたことをやるのではなく、自分で考えて動くことも多いので、主体性があって面白い!という点も、働いていて楽しいポイントです。

4.体を動かすことが好き

実際にRope Accessの仕事を始めて感じたことですが、地面に足が着いていないことが、どれほど大変なことか!難易度がぐんっと上がります!

ちょっとしたボルトを締める作業ですら、全身を使うし、バランスをとりながらやるので、大仕事です!

ロープにぶら下がるだけでなく、手足を使って安定したポジションを探します。かなりフィジカルな仕事です。

一つの作業をするだけでも、ロープに乗るだけで体力の消耗も多いです。

なので、体を動かすことが好きじゃないとちょっときついかもしれません。

5.さらに高時給で新しい挑戦、Offshoreも視野に入れている人

例えば、Certificateや学歴が必要な専門職(Welder, Boiler Maker, Fitter)などの方は、それだけでもかなり給料がいいです。

そこに追加でRope Accessの資格もあると、時給もプラスですし、Rope Accessの資格を持っていることで、さらに需要も増えて仕事が比較的ゲットしやすそうです。

彼はWelder&Boiler Maker。マイニング経歴0で、パースに来て2ヶ月で仕事をゲットしたらしい。

また、「新しいことをやってみたかったから」「Coolだったから」という理由もよく聞きます。

さらに、「Offshoreで働きたいから!」という声も最近は聞くようになりました。Offshoreとは、わたしも話に聞いたことしかなく、ほぼ未知の世界ですが、海の上のオイル・ガスなどの採掘施設での仕事のことです。

Rope Accessの仕事も多いらしく、マイニングよりもさらに給料fが良かったり、食事もマイニングの3倍もいい!なんて噂を聞きます。

6. ダストで汚れてもある程度平気な人

マイニングサイト自体が、そこらじゅうダストで、車や重機が通るだけでも、歩くだけでもダストが舞う環境です。

背中から足まで、ダストがたくさん付着しています。

さらにRope Accessの場合は、体を張って仕事をするので、いつもではないですが、ダストまみれになることは避けられません。狭いところに入ったりすることもあり、必要に応じてダストマスクを使用したりもします。

こんな感じで、狭い入り口から入ったりします。ちなみにこの下にはダストの山があります…!

今回のブログでは、わたしのポジションであるRope Accessについてまとめてみました!

わたし自身、Rope Accessの仕事を始めて、すごく良かったと思っていますし、楽しんでやっています!

もちろん体をよく使う仕事なので、大変なこともありますが、自然と筋肉がついたり、いい運動になりますよ。

興味のある方はぜひトライしてみてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

Have a good day!

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