オーストラリアのハイリスクライセンス取得について

マイニングサイトやコンストラクションの現場などで働く時に、ハイリスクライセンスが必要になることがあります。ハイリスクライセンス(HRWL)には、Dogging、Rigging、Scaffolder、Operator、Forklift、EWPなどがあります。ForkliftやEWPは2日間で比較的簡単に取れる資格ですが、その他は4−5日間ほどかかり、がっつり知識や技術を学びます。

わたしも初めは、経験も知識もないわたしが資格を取ることができるだろうか、と不安でした。ですが、周りのワーホリの人たちも、多くの人がこれらのチケットを取って、現場で働いていることを知り、わたしも挑戦してみました。その結果、自分の取りたかった資格は全て、取ることができました。これらの資格を取りに行くにあたって、経験して考えたことをシェアしたいと思います。

1. 学校選びについて

「Perth 〇〇 ticket/course」のように、取りたい資格を検索すると、いくつかの学校が出てきます。(Ex: Saferight, KI group, Australian Training Management…など)

トレーナーは選ぶことができず、ここのトレーナーがよかったよとか、この学校がいいよと教えてもらって選んでも、そのトレーナーが担当になるかはわかりませんし、どんなトレーナーが担当になるかによって授業の進め方も異なります。わたしはRiggerの資格を取るにあたって、さまざまな学校・さまざまなトレーナーの授業を受けてきましたが、本当にやり方や進め方がバラバラです。知識を細かく説明してくれるトレーナーもいれば、さらさらっとテキストを読む程度のトレーナーもいました。

本当にこればかりは運やタイミング頼みです。ただ、真面目に授業を聞いて、実技にも参加し、筆記試験も合格レベルに達すれば、よっぽどのことがない限り、落とされることはないと聞きます。(ものすごく授業態度の悪かった人は帰らされることもある、と聞きましたが、わたしが受けた時はそういう人はいませんでした。)

2. お金はいくらくらいか

学校ごとに多少の料金の差はありますが、一つのコースにつき、だいたい$1000前後です。決して安くはないですが、わたしはこれらの資格を使った仕事につければ、その分は取り返せると思ったので、挑戦してみることにしました。

3. 申し込む時期について

わたしが資格を取ろうと動き出した時期は、1ヶ月・2ヶ月先の分しか空きがなく、すぐに取りにいけませんでした。なので、わたしはどこでもいいから、その中でもできるだけ早く取れるところを選びました。これは、時期やタイミングによると思うので、複数の学校の空き状況をネットや電話で確認して、検討してみるといいと思います。(直接電話をして、キャンセル待ちをすることが可能な学校もあります。)すぐに申し込みできる状況だったらラッキーだと思います。仕事や今後の予定の兼ね合いもあると思うので、早め早めに予約可能な日程の確認をしておくことをおすすめします。

4. ど素人・初心者でも大丈夫なのか

経歴や経験などは特に問われませんでした。でも、あからさまに素人・初心者だと丸わかりだったと思いますが笑、だからといって、不当な扱いを受けたりすることはなく、みんな平等に授業も試験も受けました。

わたしは日本でもオーストラリアでも、工事現場などで働いたことがないので、工具の名前や使い方もわからない状態でしたが、一緒に授業を受けている人たちに聞いたり、なんとか見様見真似で、実技の授業も積極的に動くようにしたりして、落とされることはなく乗り切りました。(一緒に授業を受ける人たちは、大部分がすでに現場で働いていて、わからないことがあれば親切に教えてくれるいい人たちばかりでした。もちろん、わたしと同様にワーホリの人もちらほらいました。)わたしはYouTubeやネットでさらっと雰囲気だけ予習していったら、授業も理解しやすかったように思います。

見たことも、聞いたこともない、初めて触る道具がいっぱい。そして、この道具は一つ一つがずっしり重いです。

5. 筆記試験は、出るところをしっかり覚えていけば大丈夫

大抵のトレーナーは授業の時に、筆記試験に出るところを全て教えてくれます。(たまに、ちゃんと教えてくれないトレーナーもいますが…)学校ごとに、紙媒体のテキストと蛍光ペンを準備してくれているので、授業を聞きながら、試験に出るところをチェックしていきます。そこだけしっかり覚えていけば、筆記試験に合格できます。でも、なかなか問題数も多く、慣れない単語も多かったので、試験に向けて必死に勉強しました。

問題は、大部分が記述式ですが、長くても1−2文程度で、多くは道具の名前や方法などを答える問題でした。それと、Riggingのライセンスの場合は、計算問題が5−6問あります。これも、授業で公式や考え方を習います。

計算問題について、復習するときにわたしがみていてわかりやすかったYouTubeチャンネルがこちらです。オーストラリアの方のようで、オージーEnglishも一緒に勉強できます。計算問題以外にも、Riggingに関する動画がたくさんあり、参考になります。

また、わたしが勉強するときに使っていたのが、Quizletというサイトです。フラッシュカード式で暗記の勉強に役立ちます。全てではありませんがすでに、フラッシュカードを作ってくれている人がいて、EWPForkliftDoggingなどを活用して勉強していました。

6. 実技試験ってどんなの?難しいの?

これも、正直な話、トレーナーによって異なります。わたしは、試験という試験ではなく、授業の中で1人ずつ順番に、メインで実技をやってみる感じでした。他にも、グループに分かれて一つの作業を協力してやることで、実技試験とみなされて合格できたことも。日本と比較すると、かなりゆるいと思います。日本だったら、試験官がチェックリスト一つ一つをきちんとみて、評価するだろうと思いますが、その点、オーストラリアでは細かく厳密なチェックがされなかった印象でした。

実技の内容は、ほとんど授業で一度やってみたことのあるものでした。なので、特別な勉強や準備はせず、わたしは筆記試験に向けての復習・勉強を主にしていました。

わたしのパートナーは、一度だけ厳しいトレーナーにあたったため、実技試験を3回目で合格しました。(追加の試験は追加料金なしで受けられます)その分、ライセンスの取得まで時間がかかりましたが、「いろいろなことを学べたし、技術も上達したからよかった」とポジティブな彼なのでした。

「これをやっておいてね」と言い残し、トレーナーはどこかへ行ってしまうこともしばしば。

7. ライセンスの発行について

無事に合格できたら、学校の最終日に学校から発行される合格証と、Work Safeの仮免許の写しの紙を2通受け取ります。

仮免許の1通をWork Safeにて必要書類と共に申請時に提出しに行きます。ライセンスの申請は自分でWork Safeのオフィスに行って行う必要があります。(申請後、ライセンスが届くまで時間がかかるので、その日の内にすぐに申請にいくのをおすすめします!)初めてハイリスクライセンスの申請にいく場合のみ、証明写真が必要になります。

これが実際のハイリスクライセンスのカードです。1番下に自分が取得したライセンスの種類が追加されていきます。

緑色の写しが、自分の控えでライセンスが届くまでの仮免許のような役割を果たします。(きちんと保管しておく必要があります。)ライセンスのカードが届く前に、エージェントでライセンスの提出を求められたら、一時的にこの緑の写しを提出すればOKです。カードを受け取ったら、エージェントに写しを送ります。

これが、仮免許の役割を果たす用紙になります。

ライセンスのカードが手元に届くまで、だいたい2ヶ月前後、時間がかかります。

ライセンスが承認されたら、このようなメッサージまたはメールがWork Safeから届きます。

カードが届く前に、Work Safeから取得した資格が認証されたと連絡が来ると、Work Safeのホームページ上で、自分が持っている資格について確認することができます。→こちらのページで自分のライセンスの状態を検索・確認することができます。

新しい世界を知って、新しい経験ができたことだけでも、面白かったので、安くはないお金を使って資格を取ったことを後悔はしていません。


残念ながら、資格を取ったからといって、すぐに職につけるわけではありません。わたしも、資格を取りながら、アプライもし続けていますが、まだRiggerとして働いたことがありません。なので、資格を取ったからとすぐに仕事がゲットできるわけでもなく、結構厳しい現実があるのは事実です。(マイニングだけでなく、ローカルのコンストラクションの現場も同様。)が、いろいろ調べて資格を取ったり、新しいことに挑戦することにも意味があるとわたしは思っているし、努力し続ければ報われると信じているので、諦めずに行動し続けています。

でも、自分がやってみたい仕事、金銭面、残された滞在期間、覚悟、今後の予定など、いろいろ考えることはありますが、ハイリスクライセンスを取ること自体は、あまり難しく考えなくてもいいと思います。英語がまだ十分ではないし、現場の仕事もど素人なわたしでも取ることができたので、興味があればチャレンジしてみる価値はあると思います。

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