ローカルでRiggerとして働いてみて

こんにちは。わたしは現在、Perth市内のWorkshopでRiggerとして働いています。

初めの数日は、一般的なLabourのようなTA(Trade Assistant)のような、簡単な作業をやり、その後、本格的にRiggerとして、天井クレーンやリギングギアを使って仕事を始めました。

Riggerとして働きながら、気づいたことや感じたことをシェアしたいと思います。

資格があることの心強さ・強み

英語も完璧ではないし、仕事が不慣れなわたしでも、存在意義を感じられたのは、Riggerという明確な役割・スキルがあったからです。

ただ闇雲にお金を稼ぐために働きにくることよりも、何か軸となるものがあると心強いと感じました。

今回のわたしの目的は、Riggingの経歴を作ることだったので、辛い時も「この経験が後で役に立つはず」と自分で励ましていました。

最初のうちは、毎日新しことや不慣れなことばかりで、初めての本格的なRiggingもなかなかうまくいかないことも多かったです。

Riggingで持ち上げたパーツが左右に大きく揺れてしまったり、他の物にぶつかりそうになったり…

↓特にこの長いパーツが難しかったです泣

アドバイスをくれたり、安全に気をつけるように念を押されたり。たまに時間がないときや、急いでいるときは、わたしに代わって、先輩Riggerが作業を引き受けてくれたりしました。

それでも、できることはわたしに任せてくれたので、わたしもたくさんRiggingの練習をすることができました。

経験を積んでいくうちに、少しずつスキルアップしていることを実感できたし、ここで学んだことを次に活かせると思うと、モチベーションの維持にもつながりました。

Dogging・Riggingは一つの技術・スキルとして

実際にWorkshopで働いている人の中にも、WelderやFitterとして働きながらも、Riggingの資格を持っている人が何人かいました。

確かに、実際にRiggingの仕事をしてみて、Riggerだけに限らず、現場で働く職種の人はDogging・Riggingは持っていると便利な資格だな!と思いました。

大きなものを扱う現場の場合、ところどころでRiggingの知識や技術が必要になる場面が多いからです。

ものを動かした先で、溶接したり、組み立てたり、と作業が続いて行きます。Riggingというスキルを使って、他の職種を補助し、Rigging自体が終わっても、その後の作業を手伝ったり。

他の職種の人とのコミュニケーションも重要になってきます。

なので、よく「Riggerとして雇われたのにTAみたいな仕事をやったよ」という話も聞いたり、TAの求人の募集要項にDogging・RiggingのTicketがあったりすることに、納得がいきました。

OperatorやScaffolderの場合は、重機の操縦・足場の組み立てと解体と、それぞれの仕事で完結しますが、Riggerの場合は、物を動かして完結する場合もあるけど、そうでない場合も多いので、幅広い場所で必要とされるスキルではないかと思いました。

ローカルで働く時に気をつけた方がいい、安全に関して

これは会社によって異なると思いますが、まずわたしの働いていたWorkshopではHard Head(ヘルメット)を誰も着用していませんでした!

普通の作業をするならまだしも、EWPに乗って高いところで作業する時も、使っていなかったし、そもそもHard Head自体、会社に置いていませんでした。

わたしはEWPを使って、トレーラーを乗り越えて中に入って作業したり、ラダーを使って作業したりしたので、ヘルメットなしでは少し怖い気持ちもありました。

また、たまにトレーラーの下に入って作業して、出てくる時に頭を軽くぶつけた時は、なかなか痛かったです。泣

わたしを教えてくれた先輩Riggerは、グローブを使わず素手で作業することもよくありました。

例えば、日本の場合でも、昔ながらの工場で働くおじちゃんたちは、素手で作業して手の皮が厚くなったり、黒く汚れていたりというのが、想像できると思います。いわゆるベテランと呼ばれる人たち。

もちろん、手が汚れる程度であまり危険でない場合もありますが、素人のわたしは常にグローブを付けていました。(大多数の人は付けています。)

ベルトサンダーという機械を使ったとき、先輩Riggerは素手で、セーフティグラスのみ着用して、「こうやってやるんだよ」とわたしに教えてくれました。その時は、「え!火花飛び散ってますけど、素手ですか?!」と少し心配になりました。

↓こんな感じに火花が出ます。

この金属の塊の角をベルトサンダーで削っていきます。

青いベルトの機械がベルトサンダー。スイッチを入れるとベルトが高速で回転します。

角をベルトサンダーに当てて、くるくる回して削っていきます。ただ、この金属の塊も実はめちゃくちゃ重たいのです。前腕がパンパンになります。

削った後はこんな感じ。

穴に通すときに、通りやすいように先頭の部分にエッジを作りました。

左Before→右After

わたしは火の粉が飛び散っていたので、少し不安ではありましたが、セーフティグラスとグローブをつけて、腕など肌が露出しないようにして、ベルトサンダーを使っていました。

服の上からは当たっても痛くも熱くもないので大丈夫です。

そしたら、別の先輩が、「これがあったほうが安心だよ」と、フェイスプロテクターを持ってきてくれました。

(Welderのおじちゃんが使っていてかわいいなーと思っていた、このオレンジ色のナウシカ帽子もちゃっかりゲット。)

↓こんな感じで、しっかり守ってくれます。

ヘルメットのことは、どうしようもないですが、(ニット帽やキャップをかぶっている人もたくさんいました)作業するに当たって、大丈夫かな?と不安に思ったら、気軽に聞いてみるのがいいと思います。また、セーフティグラス、グローブ、長袖長ズボン、スチールカットブーツなど、基本的なPPEはしっかり着用するのが大切だと思いました。

慣れているベテランの人にとっては大したことはないかもしれないですが、まだ不慣れな状況だし、やっぱり安全第一ですからね。人にもよりますが、いろいろ聞いてもみんな親切に聞いてくれて、教えてくれるので、その点は遠慮せず、積極的にいっていいと思います。(恐かったら無理しないくていいよ、といってくれる人もいました)

安全面に関しては、マイニングよりかなり緩いので、その分自分で気にかける必要があると思いました。

仕事は自分からもらいに行く精神で

一つの作業を任されて、全部終わった時、何も言わなければ、誰も何も言ってきません。(忙しい時を除いては)

誰も察して声をかけてくれたり、次の仕事をくれたりはしません。

完成したトレーラーの拭き掃除。

ただ何もしないでいると、「みんなは自分の作業をやっているのに、わたしにできることはないのかなー」とネガティブに考えてしまうこともしばしば。

また、当たり前ですが、印象も悪くなるし、チームワークにも影響が出てしまうでしょう。(うまくサボったとしても、見ている人は見ています。)

ありがたいことに、わたしの働いている職場では、まずサボるような雰囲気がなかったし、サボる人もいなかったし、スマホをいじったりする人もいなくて、仕事と休憩のメリハリがしっかりしている会社でした。

そんな時は、一緒に働くチームメンバーやBossに、わたしができることはないか?手伝えることはないか?などと積極的に声を掛けるようにしていました。

そうすると、わたしにできる作業を探してくれました。「わたしに説明するより、自分でやったほうが早いんじゃないか?」と思えるような、簡単な作業もわざわざわたしに任せてくれたりしました。そういう気遣いのおかげで、チームメンバーとして馴染むことができました。

例えば、こんな作業↓

パワーツールを使って、タイヤに泥除けを付けました。

他にも、Housekeepingといって、働く場所の掃除をしたり、使っていないツールやゴミを片付けたりするのも、やると喜ばれるよ!とパートナーが教えてくれたので、手持ち無沙汰の時は、Housekeepingをやっていました。

自分から積極的に声をかけて、作業を行っていたこと、暇な時は掃除をやっていたおかげで、後に「よく働いてくれた」といい印象を持ってもらえました。

結束ケーブルも切ったら切りっぱなしで、床に散らばっており、最後にまとめて掃除します。また、黒い砂みたいなものは、実は金属の粉です。ドリルで穴を開けたり、切断したりするときに、かなり埃や金属の粉が舞います。作業後に掃除するとたんまり集まります。

できないなりにも、学ぼうとする姿勢や手伝おうとする行動、できることをやるなど、小さなことからコツコツと、行動することで、少しずつ進んでいけたと思います。

上下関係の感じられないチームメンバーのあり方

1番、働きやすい、居心地がいいと感じた理由はこれかもしれません。

まず、わたしの職場自体が、年齢層も幅広いですが、みんなフレンドリーで雰囲気が良かったです。

アジア系の人が半数以上だったことも、馴染みやすさに繋がったかもしれません。

わたしは、本当に初心者としてチームメンバーに仲間入りしました。わからないことだらけ、初めてやることばかり。

それでも誰も、わたしを見下したり、ばかにしたりもしなかったし、上から物を言われることもありません。(敬語がないことも関係あるかもしれませんが)

言葉や行動で表さなくても、なんというか態度や接し方でも、上下関係・先輩後輩という雰囲気すらも感じませんでした。

未経験者として新人教育がない代わりに、みんなと同じチームメンバーとして認められているように感じました。

でもだからと言って、多くを求めたりもせず、わたしのペースを理解してくれていたし、みんな余裕がありました。

「オーストラリアは日本に比べて働きやすい」なんてことをよく耳にしますが、わたしも今の職場で働きながら、これだ!という明確な理由ははっきりしませんが、確かに、働きやすさを感じたのでした。

新しい仕事を始める時は、とても不安でしたが、いざ始めてみたら、なんであんなに心配していたんだろうと思うくらい、未経験者にもやさしい環境でした。

どんな職場か、どんなチームメンバーか、運もあると思いますが、自分の行いや捉え方次第で、変わってくるなーと思いました。

少しでも参考になれば幸いです^^

Have a good day!

P.S. わたしはRiggerの色々なポジションにアプライしていました。たまたまWorkshopでの仕事をゲットできたので、工場の建物の中で働くことができました。コンストラクションサイトで働く場合、外での作業が多くなります。雨の日は仕事が中止になったり、早く帰宅になることもあるんだそう。なので、現在冬(雨季)のPerthでWorkshopの仕事をゲットできたのは、ラッキーでした。

最近は結構な確率でゲリラ豪雨に見舞われます。

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